手術後は血圧が上昇し易い状態になっています。
特に、高血圧をもともと患っている場合、血管は多少なりとも全身の血管に動脈硬化が起こっていると考えられます。

このために、手術中や手術後に脳血管性障害や、心筋虚血になりやすいとされます。
高血圧の原因となるのは、動脈硬化でしょう。
動脈硬化症になっていると血管は脆くなっており、血液にはコレステロールなどの不純物が多くなります。

そのせいで血液を運ぶ力は血管の負担も大きく、血圧は結果として上昇してしまいます。
手術後の高血圧を防ぐ為に、容体を良く観察しながら降下剤の投与が必要となります。

また、手術後に高血圧となる原因では、麻酔の影響が深く関係していることもあります。
麻酔には、血管を拡張させる作用があります。
血管が拡張するということは血液の流れが良くなり、血圧は下がります。

ですが、高血圧の方の場合は、血圧が普段それ程高くない方と比べると、高い時と低い時の差が大きくなっています。
この差の範囲内で血圧が変動し、血流不全の状態となり、手術後に脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。
そして、手術後のストレスによっても、高血圧が起こり易くなります。
身体にメスを入れるということは、人間にとって非常に多大なストレスを掛けます。

それに手術によるさまざまな刺激によっても、交感神経に影響を与えて心拍数や血圧の上昇・低下を招く要因となります。
さらに、手術後に麻酔が切れることで強い痛みが現れます。
痛みは脳内の交感神経を刺激し、緊張を高めます。

すると、身体は心拍数を増やし、血管の抵抗も高くなる結果として、血圧が高くなるのです。
手術後には容体が日々変化しやすく、体調が不安定なので血圧の変動も起こりやすいのです。
動脈硬化症を患っている場合には、血圧の正常である方よりも高血圧のリスクが高い状態といえます。
血圧が上昇することで心臓の酸素消費量が増え、心筋虚血が起こりやすいことに注意が必要となります。

手術後に起こる血圧上昇以外の体の変化とは?

手術後に起こる血流以外の症状には、術後せん妄があります。
せん妄は手術をきっかけとして起こる精神障害で、手術後に一旦落ち着いてから1日から3日後に急激に錯乱・幻覚・妄想状態となります。
この症状が1週間ほど続き、次第に治まっていきます。

この症状は高齢者に起こり易く、手術後の回復期に起こるために看護やケアの妨げとなってしまいます。
せん妄を発症すると生命維持に必要な管などを抜いてしまったり、夜昼に関わらず大声を上げて暴れるなどの状態となり、看護が非常に困難となります。
手術中や手術後の患者は容体の変化も激しく、1日1日それぞれまったく異なります。

消化器官の術後には、縫合不全や出血・腸閉塞(術後イレウス)などがあります。
手術後の合併症にも注意が必要で、疼痛や心不全・肺水腫・無気肺・肺炎・腎不全・ストレス性潰瘍などが見られます。

出血は手術直後から48時間以内に、縫合不全は手術後4日から10日、疼痛は直後から5日以内とされています。
合併症での無気肺は、末梢気管支が気管内分泌物で詰り、閉塞部位によって肺胞側の空気が吸収され、やがて肺胞が潰れた状態となります。
これを放置してしまうと肺炎になるので、慎重に容体を観察することが重要です。

手術後には近年、様々な合併症予防として、早めに離床するよう対策が執られています。
それでも、消化器系の腫瘍の状態によっては低栄養となり免疫力が低下して、術後感染や縫合不全などの合併症が増えています。

安静にしていることで起こりやすいのが、血栓です。
静脈血栓閉塞症は腹部手術では23%、人口膝関節手術では50%から60%と高頻度で発症し易い疾患です。
手術まえから深部静脈血栓症の予防のために、医師からの説明が必要となるでしょう。